快晴なのにパワコンの出力が上がらない、ピークカットしない

快晴にも関わらず出力が上がらない場合、パワーコンディショナ(以下、PCSと記載)の出力抑制機能が動作している可能性があります。

原因

電力系統の電圧が上昇した場合、PCSは系統に接続される他の設備を保護する為に出力を抑制します。

電圧が上昇する原因は様々ですが、電気の供給が需要を上回り、抑制が発生する事が多々あります。

電圧上昇による出力抑制が発生しやすい状況

  • 家庭での電力消費が減る時期
  • 天気が晴れ(日照が良い)
  • 周辺に発電所が多く供給量が多い
  • 周辺の電力消費の多い工場等が稼働を停止する休日

 

上記のようにな環境では電圧上昇による出力抑制が発生しやすいです。

 

特に春先~夏頃にかけて晴れの週末によく発生する事を確認しています。

電圧上昇抑制の確認方法

SOLAR LIVEで得られる情報から電圧上昇抑制を予見する事が可能です。

発電量が低い

現地の日照から考えて明らかに発電量が低いケースです。

SOLAR LIVEが表示する瞬時発電量は過去10~20秒以内の状況です。

 

 

現地が晴天にも関わらず、期待される値より大幅に出力が低い場合、電圧上昇による抑制の可能性があります。

 

 

設置環境等の影響で全てのパワコンに一律に抑制が発生しないケースもありますので、ご注意ください。

AC電圧

※本機能はオムロン単相、デルタ単相、山洋単相のみ対応している機能です。

 

 

個別発電所選択 → 詳細発電データより、交流電圧の確認ができます。

環境により異なりますが、概ね108Vを超えていると高いと言える状況です。

 

 

個別発電所選択 → AC電圧履歴より、過去の交流電圧の推移が確認できます。

上記画像のように、高止まりしている状況では電圧上昇による抑制が発生している可能性が高いです。

通常は下記画像のように、100~108V程度の範囲で交流電圧は変化します。

 

ステータス異常

対応パワコンは異常として通知が行われます。

システムの都合上、障害として通知が行われますが、電圧上昇による短時間の出力抑制は障害ではありません。

田淵単相

田淵単相PCSはB_0002として電圧上昇による出力抑制を検知します。

パナソニック

パナソニック(OEM含む)PCSはPN_01として電圧上昇による出力抑制を検知します。

抑制が発生した場合

販売業者様や、電気工事店様と対応の要否についてご相談ください。

1点ご注意頂きたいのは、一時的な電圧上昇に伴う出力の抑制は系統を保護する安全機能が働いているだけで、故障ではありません。

電圧上昇抑制に関する対応は保証の対象外となる可能性が高いと思われます。

 

また、電圧上昇による抑制が発生したとしても、発電事業者側が許容できる発電量の低下であれば、特に対応を取る必要はありません。

 

 

一時的に出力が落ちたとしても、上記画像のように、時間単位の発電量がPCSの定格出力に達している状況であれば問題ありません。

 

以上。